複雑なおもい


アシュタンガヨガにすっかりハマっていた。

気づけば日々の練習が日課となっていた。

練習をはじめて半年が過ぎた頃、たまたまスタジオの早朝のレッスンを受講したことで朝練の気持ちよさを知った。

その日は朝からアクティブに動けて1日がとても有意義だった。

自宅でも朝練に切り替えよう!と心に誓った。

1度心に決めると、良くも悪くも私の決意は固い。私の朝練生活が始まった。

翌日から早く練習したくて目が覚めるようになった。

特別なイベントがあってウキウキする朝みたいに目が覚める。

ずっと悩んでいた寝付きの悪さも、朝寝坊も自然と解決していった。

朝練ができると、その日練習が出来るかどうかの心配がまずなくなる。

そして朝からエネルギーが湧き1日パワフルに過ごせる。

練習後には家族の朝準備があるので決められた時間内で練習が終わる。

早く起きるので1日が長い。

電話や来客や家族の事など、外部からの刺激を気にせず練習に集中できる。

日中の予定にも左右されない。

そして何より1日のはじまりに、自分だけの特別な時間がもてる。

子供の成長と共に朝起きる時間は早くなるが、それでも早く起きる価値は十分すぎるほど私にはある。


練習することで、良い循環を感じると同時に複雑な想いも感じ始めた。

今まで家事や子育て以外に情熱を注ぐものがなかった私にとって、それら以外に夢中になることに後ろめたさを感じていた。

素直に楽しめず、変わりたくない自分がいた。

ようやく落ち着いてきた家事や子育てに対する自分の価値観が変わるのが嫌だった。まわりからの目も気にしていた。今までの自分に対する裏切り行為にも思えた。今までの安心感や居心地の良さの中に居たい気持ちと、新しいことにも夢中になりたい気持ちが混ざり、純粋に楽しむ事の邪魔をした。

そんなもつれたおもいを紐解きたくて毎日マットに立っていた。

Yumi Izumi

広島ヨガインストラクター

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